
2025年11月28日
【結婚式の両親への手紙|完全ガイド】

結婚式で読み上げる「両親への手紙」は、多くの花嫁・花婿にとって最も悩むパートのひとつです。
感謝の気持ちはあるものの、どこから書き始めればよいのか、どこまで触れてよいのか、文章としてまとめることが難しく感じられる方は少なくありません。また、普段あまり手紙を書く習慣がない場合は、語彙や構成の面でも不安を抱えがちです。
本記事では、初めて手紙を書く方でもスムーズに完成させられるよう、基本構成、文例、マナー、当日の読み方まで、必要な情報を体系的に整理しています。形式的な文章ではなく、「あなた自身の言葉で伝える」ための視点も丁寧に補足しているため、どの家庭環境・どの背景の方にも対応できる内容です。
結婚式という人生の節目に、ご両親へ感謝の思いを届ける時間が、あなたらしく温かなものとなるよう、実用性とわかりやすさを重視して構成しています。
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この記事の監修者
ブラナビ編集部
ブラナビの精鋭アドバイザーで構成する、ブラナビ編集部。情報誌ではわからない、リアルタイムの生きた情報を発信していきます。
手紙を書く前に知っておきたい基本の考え方
結婚式の手紙は、演出の一部でありながら、式全体の印象を左右する大切な瞬間です。
文章を書く前に「なぜ読むのか」を整理しておくことで、内容がぶれずにまとまります。
■手紙を読む意味と役割
両親への手紙は、育ててくれた年月への感謝を言語化する「人生の節目の儀式」です。
普段は伝えられなかった思いを、落ち着いた形で届けられる場でもあります。
参列者にとっても、ご家庭の温かさ・人柄が伝わる感動的な時間となるため、式全体の印象にもつながります。
■読み手の視点から書くことが大切
感動する手紙は、言葉が上手い手紙ではありません。
「具体的な思い出」と「素直な表現」が重なることで、自然と心に響く手紙になります。
■よくある不安と解消のヒント
- 涙で読めなくなる → 間を取ってもよい。代読も一般的。
- 内容が浮かばない → “幼少期・学生時代・現在”の3フェーズで振り返る。
- 長くなりすぎる → 文字数より「伝えたい軸」を絞るほうが効果的。
結婚式の手紙に入れる内容の基本構成
多くの花嫁・花婿が書きやすい「型」をご紹介します。この型に沿うだけで、文章が自然にまとまります。
①導入:今日の気持ちを丁寧に伝える
最初の一文は、短くても問題ありません。
「本日を迎えることができた喜び」「式に来てくれたことへのお礼」など、シンプルな挨拶で十分です。
例
「お父さん、お母さん。今日この日を迎えることができ、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。」
②エピソード:思い出は“具体性”が鍵
結婚式の手紙でもっとも大切なのは「短くても具体的な思い出」です。
抽象的な感謝を並べるより、1つのエピソードを丁寧に描くほうがはるかに伝わります。
例
- 毎日作ってくれたお弁当
- 送り迎えをしてくれた日々
- 厳しく叱ってくれた出来事
- 進路に悩んだときの一言
具体的な描写を1つ入れるだけで、文章の温度が大きく変わります。
③感謝:どの家庭にも合う伝え方
感謝の表現は、「ありがとう」を何度も繰り返す必要はありません。
ポイント
- どんな支えがありがたかったかを明確にする
- 大げさにせず、事実をそのまま言葉にする
- 距離のある家庭なら“無理をしない表現”でOK
④締め:これからへの決意とあたたかいメッセージ
文章の最後は、これまでの人生の感謝と、これからの人生への抱負を一言添えると締まります。
例
「これからは〇〇さんと力を合わせ、温かい家庭を築いていきます。」
両親への手紙に使える文例集(状況別)
そのまま使っても、調整しても活用できる実用的な文例です。
■育ててくれた感謝を伝える文例
「これまでの人生で、どんな時も支えてくれたことに心から感謝しています。嬉しいときも悩んだときも、二人がそばにいてくれたことが、私の大きな力になりました。」
■距離があった・反抗期があった家庭の場合
「素直に感謝を伝えられなかった時期もありました。でも今思えば、いつも変わらず見守ってくれていました。言葉にはしてこなかったけれど、本当にありがとうございます。」
■母・父への個別メッセージ文例
-
母へ
「忙しい中でも私のために時間を作ってくれたこと、いつも味方でいてくれたこと、心から感謝しています。」 -
父へ
「不器用だけど温かい背中を見て育ちました。その姿はこれからの人生でも私の指針になります。」
■再婚家庭・片親家庭・複雑な背景への配慮文例
「完璧な家庭ではなかったかもしれませんが、与えてくれた愛情は本物でした。そんな環境の中で育ったことを、今では誇りに思っています。」
書くときに気をつけたいマナーとNG例
■文章量の目安
-
読み上げ時間:2〜3分
-
便箋1〜2枚
過度に長いとゲストの集中が途切れるため、読みやすさを重視します。
■重くなりすぎないための注意点
家庭の過去をすべて書く必要はありません。
特にネガティブな内容は、柔らかい表現や「今があることへの感謝」に転換するとバランスが整います。
■便箋・筆記具・清書のルール
-
無地の便箋
-
黒インク
-
修正テープは避ける
-
読みやすい字で、段落を整える
清書後は声に出して読み、つかえやすい箇所を調整すると安心です。
読み上げ当日のポイント
■読み方のコツ
緊張しても問題ありません。
1行ごとに少し間を置くことで、自然と落ち着いた雰囲気になります。
■司会者・プランナーとの事前確認事項
- マイク位置
- 読み始めのタイミング
- BGMの有無
- 代読対応の可否
事前に共有しておくことで、当日慌てずに進行できます。
■泣いてしまったときの対処法
感情があふれるのは自然なことです。
無理に読もうとせず、深呼吸してから続ければ問題ありません。
続行が難しい場合は司会者の代読が一般的です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 手紙が短いのですが問題ありませんか?
全く問題ありません。
短い場合は、思い出を「一つだけ」追加するだけで自然に厚みが出ます。
文字量よりも、伝えたい軸が明確であることが大切です。
Q2. 長くなりすぎてしまいました。削ったほうがいいですか?
はい、適度に整えることでより伝わりやすくなります。
「導入・思い出・感謝・締め」の4つの軸を残し、
重複する表現や詳細すぎる説明を削ると読みやすくなります。
Q3. 新郎も読むべきですか?
必須ではありません。
花嫁のみ、または双方で分担するなど、
ご家庭の雰囲気や当日の構成に合わせて柔軟に決められます。
Q4. 両親と距離があり、うまく書けません。どうすれば?
無理に「感動的な言葉」にする必要はありません。
以下の視点がおすすめです。
- 事実ベースで淡々と書く
- 短い感謝を一言添える
- “今ここにいること”だけを伝える
距離のある家庭向けの書き方も一般的で、十分に温かい手紙になります。
Q5. 片親・再婚家庭の場合はどう書けば自然ですか?
家庭の形に合わせて、感謝を向ける相手を限定して問題ありません。
無理に両親2人へ向ける必要はなく、
「自分にとって一番支えてくれた人」へ軸を置くと違和感がありません。
記事内の文例も調整して使用できます。
Q6. 感動させようとして文章が大げさになります…
感情表現を“事実”に置き換えると、自然で上品になります。
例:
×「世界一の両親です」
○「どんな時も私の味方でいてくれました」
大げさな形容より、短い事実の方が心に響きます。
Q7. ネガティブな思い出もありますが、触れないほうがいいですか?
- 基本的には避けるほうが式全体が温かくまとまります。
どうしても触れたい場合は、
“過去の苦労 → 今がある感謝”という流れに変換すると品が保てます。
例:
「大変な時期もありましたが、乗り越えてきた今を大切に思っています。」
Q8. 手紙に兄弟や祖父母のことも入れていいですか?
入れて構いません。
ただし、主役は両親のため、一文〜数行程度に留めるとバランスが良くなります。
Q9. 読むときに泣いてしまいそうで不安です。
緊張や涙は自然なことです。
深呼吸や、1行ずつ間を空けることで落ち着きます。
どうしても読み切れない場合は、司会者代読が一般的に行われています。
Q10. 手紙をスマホやタブレットで読んでも大丈夫?
マナー上は“紙の手紙”が望ましいとされています。
格式ある式ではスマホは避けたほうが安心です。
ただ、カジュアルな結婚式ではケースバイケースで許容されることもあります。
Q11. 漢字をひらがなにしたほうが読みやすいですか?
長い熟語や硬い表現は、ひらがなにすると読みやすくなります。
例:
「感謝致します」→「感謝いたします」
声に出して詰まる部分は調整しましょう。
Q12. 手紙を書き終えた後、どんなチェックをすればよいですか?
以下の“最終確認リスト”が有効です。
- 読み上げ時間は2〜3分か
- 段落の切れ目が適切か
- 事実が正確か
- 重複表現がないか
- 声に出して読んだときに違和感がないか
Q13. 手紙は当日いつ渡すのが良いですか?
多くの場合「披露宴後の親族控室」で渡されます。
式場によって流れが異なるため、事前にプランナーへ確認すると安心です。
Q14. 手紙を読まずに渡すだけでもよい?
問題ありません。
演出としての朗読は必須ではなく、
「二人だけの時間で渡したい」という選択も増えています。
Q15. 新郎側の両親にも個別のメッセージは必要ですか?
必須ではありませんが、入れるとより丁寧な印象になります。
短い一言(例:「これからもどうぞよろしくお願いいたします」)で十分です。
まとめ
結婚式の手紙は、長さや語彙力よりも「あなたらしさ」が何よりも大切です。
小さな思い出や短い言葉でも、ご両親には必ず伝わります。
本記事の構成や文例を参考にしながら、ぜひ時間をかけてご自身の言葉を選んでみてください。
その積み重ねが、当日のあたたかな時間につながります。
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